パラリンピックへの挑戦!

さとたん

2010年02月11日 00:56

いよいよ、バンクーバーオリンピックが開幕直前、かなり盛り上がっていますが、来月、冬季パラリンピックも、開幕される事はご存知でしょうか?

私には、そのパラリンピック出場の最終先行に選ばれるために、全力で頑張っている友人がいる。
友人と言っても、私が一方的にそう思っているだけなのかもしれない。。

彼との出会いは、遡る事、約16、7年前になる。まだ看護師として働き始めたばかりの頃、当時、私は救命病棟に勤務していた。その頃に、トラックの事故で運び込まれてきたのが彼だった。命に別状はなかったものの、かなりの重症だった。その事故により、両足を失ってしまったのだ。まだ、10代後半と言う若さだった。。相当、痛いはずなのに、うなされていたくらい痛いはずなのに、看護師の私達には、一切、弱音を吐かなかった。そんな彼を見ているのが、私は余計に辛く、看護師として、無力さを感じていた。やがて、彼は、整形外科の病棟へ移って行ったのだが、時々、車椅子にて救命病棟へ遊びに来てくれるようになった。行動範囲が広がり、心にもゆとりが出て来たのだと思い嬉しかった。とは言え、長い入院生活、彼にとっては、ストレスに違いないと思い、私は、看護師としては、有るまじき行為だが、その患者である彼を、自分の車に乗せ、一緒にドライブし、途中、マックに寄り、ハンバーガーを食べた。それは、看護師としてではなく、一人の人間としての、私から彼に対する精一杯のエールだった。その後、彼は退院して行ったが、その後は連絡が途絶え、会う事はなかった。

その彼と、一昨年、偶然、会った。遠くから見て、直ぐに彼と分かった。彼も直ぐに気が付いてくれた。その時に、彼の鍛え上げられた上半身に驚いた。何かスポーツをしていると言う事は直ぐに理解出来た。彼の口から、チェアスキーをしていると聞いた。その時は、お互いの連絡先を交換して別れた。あの鍛え上げられた体だ!きっと、一流の選手に違いないと思い、パソコンで彼の名前を検索してみた。すると、私の予想通り、チェアスキーの日本代表選手に選ばれる程の実力のある選手になっていた。その後も、会う事はなかったが、彼の活躍はブログなどで確認し、心から応援していた。

再会から、約1年、去年の暮に、その彼から突然メールが届いた。ヨーロッパから一時帰国して、また出発するのだが、その間に、少し時間があるので、食事でもどうか?と言うお誘いのメールだった。運良く、空いていたので、会う事になった。その日の彼は目が輝き、表情は明るく爽やかだった。当時を知る私には彼がまるで別人にさえ見えた。その席で、チェアスキーとの出会い、パラリンピック出場を目指している事、この大会を最後に引退を決意している事、私生活では結婚した事など、色んな話しをしてくれた。彼とチェアスキーの出会いは、そのポスターを目にしたのがキッカケだったそうだ。ポスターをひと目見て、「自分もやりたい!」と思い、直ぐにそのポスターに書いてあった連絡先に自ら電話をして「選手になりたいが、どうしたらなれるのか」と聞いて教えて貰ったそうだ。
一瞬のヒラメキで、即行動に起こす、その行動力に感動した。きっと、ずっと、彼は望み、求めていたのだろう!準備をしていたのだろう!だからこそ、そのチャンスを受け入れる事が出来たのだ!と感じた。

一昨日、その彼から、メールが入った。「明日からジャパンパラリンピックが始まる。これが最後の代表選考会になるので、頑張ります!」と短い文だったが、私には力強い宣言に聞こえた

会った時に、私に「今期限りで引退する!」と言った彼の表情は、実に晴れ晴れとしていた

どういう結果にしろ、彼が悔いが残らない試合をしてくれる事が、私の願い

今日も、友人である彼が、オリンピックの舞台に立つ姿をイメージして寝よう




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